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昭和初期に建てられた銭湯・美章園温泉が解体されます。大バンの大阪近代建築BLOGで16日から工事が始まると知り、ああ、もう見れないなーと思っていたら、突然メーリングリストで最後のお別れ会が開かれるとの速報。美章園風呂ジェクトなる活動を立ち上げてくださった方の奔走のおかげで2月24日(日)、見学させていただくことができました。大オオサカまち基盤からは、まさきちさん、ちよちゃん、私が参加。アールデコの装飾や、外観に使用された模様のスクラッチタイル、優美なシャンデリア、そして色鮮やかなタイルがふんだんに使われた内装をしっかりと目のフィルムに焼き付けてきました。最初で最後となった美章園温泉でしたが、本当に豪華な空間を堪能させていただきました。

昼からは大阪歴史博物館の酒井一光さんや寺西家住宅の寺西興一さん(登録有形文化財所有者の会事務局)、和田康由さんなどによる建物解説もおこなわれました。

個人的に嬉しかったのは長らくブログを通じてやりとりはあるものの、お会いしたことがなかった「ひろの東奔西走」のひろ009さん、「まちかど逍遥」のぷにょさんにお会いできたこと。やっぱり近代建築ファンはこうやって繋がっていくものですね。
美章園温泉(外観)

▼クリーム色とこげ茶色のスクラッチタイルが交互に使われていて、トラ模様のような面白いデザインになっている。
美章園温泉(外観)

美章園温泉(外観)

美章園温泉(外観)

美章園温泉(外観)
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2月17日(日)。寒い時期に寒い寒い滋賀県まで、大バンのちよちゃんと二人で日帰り旅行してきました。目的は、滋賀県立近代美術館で開催されている、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ展。この日、関西学院大学の建築に関する講演があり、それにあわせて行くことにしました。

ヴォーリズ展に行く前に、せっかく滋賀に行くなら近代建築めぐりを、と事前に下調べ。滋賀といえば、なんといっても近江八幡のヴォーリズ建築なのですが、ハシゴするには遠すぎるので、またの機会に。調べてみると大津市内にも近代建築がかなりあることがわかり、午前中は、大津の近代建築めぐりをすることにしました。
滋賀県庁舎

9時に大阪駅を出発して9時40分にはもう大津に到着するんだから、意外と近いですね。さすがに大津は寒く、雪もちらついていました。2時間で7箇所の近代建築まわれて、予定時刻どおりに美術館に到着できたから上出来。この日まわった7箇所の近代建築です。

▼滋賀県庁舎
滋賀県庁舎

滋賀県庁舎

滋賀県庁舎

滋賀県庁舎

滋賀県庁舎
スローペースで書き続けた東京・手塚治虫ゆかりの地探訪記ですが、当日ご案内いただいた小林準治さんから、レポートが送られてきました。のりみ本人が読むと結構恥ずかしいところもあるのですが(笑)やっぱり嬉しかったので転載許可をいただきました。『月刊広場』2008年1月号に掲載された記事です。ゆかりの地めぐりのバックナンバーとあわせてお楽しみください。

※『月刊広場』は林捷二郎氏が個人で編集・発行している月刊同人誌です。(市販はしていません)購読希望の方は直接林氏まで。→はてなダイアリー参照


【東京・ゆかりの地めぐりバックナンバー】
手塚先生のお墓参りへ
並木ハウス
トキワ荘跡
講談社旧本館
練馬区の虫プロと手塚プロ 


ゆかりの地案内記

ゆかりの地案内記

ゆかりの地案内記


『手塚先生ゆかりの地案内記』
                                            小林準治


 12月8日、ファン大会の翌日、12月9日の日曜日、かねてからの約束で、大阪のファン、田浦のりみ夫妻を手塚先生ゆかりの地を案内する。手塚先生は大阪、宝塚時代と比べると、東京での時間の方が圧倒的に多い。しかし、ゆかりの地となると関西時代より少ないのだ。

 9日の午前11時、JR巣鴨駅で会うことにした。夫妻の友人・高橋氏も同行し、一行4人、小生の車、ジムニーワイドでの案内である。5分ほど遅れて現地に着くと、すでに3人は来ていて、早速3人は車に乗り込む。最初の地は手塚先生の眠る菩提寺總禅寺である。都電新庚申塚のすぐ近くで巣鴨から1キロくらいの近場である。

 コイン駐車場をみつけ、寺まで歩く。總禅寺は以前よりずっと立派に改装されていてびっくり。線香を買い、先生の墓に行くと、2人の女性の先客がいた。のりみさんがこの2人に声をかけると、2人とも昨日のファン大会に参加していて、ブログ仲間の手塚ファンということで3人は意気投合していた。線香をあげ拝んだところで記念撮影。この後は手塚先生がトキワ荘を出た後の並木ハウス見学ということで、ここから2人の女性を加えて6名で行動する。並木ハウスは豊島区鬼子母神近くである。私は、そのあたりの地理はよく解らないし、都電鬼子母神駅は新庚申塚から6つくらいしか離れていないので、車でなく都電で移動することにした。みな、大阪、福島とか地方から来ているので、東京に唯一残った路面電車に乗るのも珍しい体験でよい想い出になるだろう。
都電荒川線

 ゴトゴト都電が走ってきた。「わ~かわいい電車!」のりみさんの声が響く。私も都電に乗るのは11年ぶりであった。昔の車両と比べると、少しミニ化され、コンパクトになっていて、確かにかわいらしい。この都電は民家の間を走っていくので、一般道路との交差も多い。30~40キロくらいでスピードもゆっくり。庚申塚のホームは目の前がだんご屋でローカル色が強く面白い。

 12~3分で鬼子母神駅に着く。参道は昭和の感じが色濃く残っていて、古い建物もちらほら。なんといっても両脇に並ぶ大ケヤキの並木がすごい。古いものは樹齢600年のものもある。晩秋の銀杏の葉がさらさらと雪のように降る。その落ち葉で参道は美しい黄色である。並木ハウスは最初わからず通り過ぎてしまったが、都電の駅のずっと近くにあった。
「ここ、ここよー並木ハウス」またのりみさんが発見した。
並木ハウス
2008.02.10 雪~!
2月9日(土)。めずらしく大阪にすごい雪が積もりました。
雪(自宅前)

自宅の庭が一面真っ白♪
雪(自宅前)

休日だし、このまま家に閉じこもっているのももったいない!と思いカメラをもって京都へ出かけることに。
雪の三条大橋

「川端康成と東山魁夷展」を見たかったので京都文化博物館へ。東山魁夷は日本画家の中でもとりわけ好きな作家なのですが、今回展示されていたのは主に川端康成が所蔵していた東山魁夷の小作品。両氏の間でかわされた手紙なども展示されていて非常に興味深い展覧会でした。
雪の京都文化博物館

で、京都に来たからには近代建築を撮らないと!こちらは京都文化博物館の別館でもと銀行だった建物。辰野式建築の赤煉瓦と降り積もる白い雪とのコントラストが本当に綺麗でした。
雪の京都文化博物館

 
虫プロ

最後の目的地は練馬区富士見台の虫プロダクション
一年で陽が一番短い12月ですから夕方5時をまわるともう真っ暗で、虫プロに到着する頃にはすっかり夜になっていました。さすがに日曜日の夜…会社ですから当然閉まっていました。公式サイトにあるとおり、現在虫プロは一般見学ができません。

虫プロは、今では手塚先生と関連が薄くなっているため、私にはさすがに人脈がなく見学する機会が今までありませんでした。手塚関連のテレビ番組でもよく取り上げられるのは新座スタジオの手塚先生の部屋ですしね。でも最近(といってももう一昨年)、2006年8月に辻真先さんの特集番組BSアニメ夜話・番外編「アニメの時間よ永遠に」で虫プロの様子が放映されました。虫プロダクションを久々に訪ねる辻さん。辻さんが懐かしさのあまり涙しているのを見て、なんだか、私は虫プロに行ったことないのに私もテレビの前で涙してしたものでした。(過去記事参照)

(ちなみに手塚プロと虫プロの違いについては公式Q&Aを参照に。)
虫プロロゴ

小林準治さんと一緒ということで出発前は「もしかしたら入れるかも」と淡い期待をしていたのですが、小林さん自身も虫プロを巣立って30年以上になるので、知り合いも少なくなっているそうです。
虫プロロゴ

さすがに暗くて写真撮影にはつらかったのですが、有名な「虫」ロゴを撮影。そして、虫プロのまわりをぐるっと一周。小林さんが説明するには、1960年代当時の虫プロは現在の何倍も広かったそうです。以前虫プロの敷地だった場所には8軒の家が建っているそうです。
虫プロ

ここでおしまい、と思いきや、小林さんが車でさらに連れて行ってくださったところがここ「越後屋」。えっ!?何?そんなところ知らないよ!この肉屋さん「越後屋」の2階に1970年、最初に設立された手塚プロダクションがあったそうです。なんと手塚プロは高田馬場の前に富士見台にあったというのです。
エチゴヤ

しかもその「越後屋」のシャッターには手塚キャラたちが…!思わぬところでさらなる手塚ゆかりの地を訪問することができました。
エチゴヤ手塚プロシャッター

【説明】
1970年当ビル完成時より1876年まで当ビル2・3階を株式会社手塚プロダクションが借用され、漫画家手塚治虫氏が製作室として使用されました。左の絵は1873年頃、手塚治虫氏の展覧会に出展されたキャラクター集の一部です。手塚氏直筆のオリジナルパネルで、手塚氏より当ビルオーナーに寄贈されたものを再現しています。

エチゴヤ手塚プロシャッター(説明)

私が越後屋の前でそのシャッターを撮影しまくっていると、妙齢の女性が私に話しかけてきました。

「私はこの近くで昔、パーマ屋さんをやっていたの。たくさんの社員さんが毎朝出勤されてくるのを見てましたよ。」

ええっ!なんと当時を知る人にバッタリ出会えるとは!
2008.02.02 講談社旧本館
先日アクセス解析を見てびっくり。普段、私のブログのアクセス数は1日に100~多いときでも300件程度。最近は更新もスローペースなので、150前後におさまっていたのが、1月31日のアクセス数がいきなり1360!目を疑いました(^^;)リンク元を辿ると某マンガ系サイトにトキワ荘の記事へのリンクが貼られていていきなりアクセス数が急増。いや~トキワ荘伝説って今も人気なんですね…今更ですが。

で、スローペースでぼちぼち続けてきたゆかりの地めぐりの続きです。トキワ荘をの次は講談社本館です。「講談社手塚治虫漫画全集」というだけあって手塚先生には縁が深いところ。9月に万博の国際児童文学館で行われた丸山昭さん×宮本大人さんのトークセッションもテーマが「講談社の絵本」でした。
講談社

その講談社旧本館は近代建築としても有名です。1933年(昭和8年)竣工。鉄筋コンクリート造6階建て 。
講談社

実はここ、講談社本館はNHKドラマ・銀河テレビ小説『まんが道』のロケが行われたところでもあります。満賀と才野が編集者と話すシーンで旧本館が何度か登場します。
講談社

ただ、某事件がきっかけとなって以来、講談社には用事がある人でないと入れないそうなので、外観のみを見学。私はむしろ旧本館よりも、スパニッシュスタイルの近代建築として有名だった講談社別館(旧三井邸)こそ見たかったのですが、今はなき建物…。もう少し早く訪れるべきでしたね。
講談社

文京区にはたくさん近代建築や古い建物が残っているそうなので、いずれ別の機会に訪れたいと思っています。

さて、最後の目的地は練馬区富士見台の虫プロダクションです。

(つづく)

講談社(公式サイト)
街の風景 講談社旧本館
近代建築散策:講談社旧本館
近代建築散策:東京都文京区(1)
建築ガイド