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以前から危惧していましたが、恐れていたことがついに…!という感じです。
大阪府の橋下知事の就任以来、度々繰り返される文化事業切捨て計画発言にイヤな予感がしていたのですが、まさにそれが的中。


橋下知事が20日、吹田市の万博公園内にある大阪府立国際児童文学館を視察し、府立図書館と統合を示唆したというニュース。

毎日.jp
産経新聞

要するに「中之島図書館と府立中央図書館以外の府立施設は不要!児童文学館は切捨てよ!」という話。
まったくもってマスコミ向けパフォーマンスの格好のターゲットになってしまったのが、この国際児童文学館だったというのは実に悲しいし、怒りがおさまりません。

私がこのニュースを知ったのは、以前、大阪府立国際児童文学館で行われた講演でお会いしたこともある宮本大人さんのブログでした。宮本氏はブログ上で、児童文学館切捨ての何が問題なのか、府立図書館や中之島図書館に統合することによりどのような問題が生じるのか、以下の3点をあげ、非常に明快に論じられています。

1.児童文学館は、「児童文学」に限らず、マンガも含めて子供向けの出版物は何でも受け入れている
2.児童文学館の活動は「図書館」のそれには「類似」していない
3.見直しの手法が拙速・強引すぎる


宮本大人のミヤモメモ ■大阪府立国際児童文学館存続運動に賛同します。

非常に長い文章ですが、どうか最後まで読んでください。
まず橋下知事は児童文学館の館の本質そのものを誤解している!
次に児童文学館が収集しているマンガも含めた上での貴重な資料が、府立図書館との合併によって散逸し、最悪の場合捨てられる恐れがある。
この問題点を橋下知事は全然わかっていません。

私はあくまでいち手塚ファン、いちマンガファンに過ぎず、うまく理詰めで論じられないのですが、宮本さんは児童文学館が廃止されるとどうなるのか、きっちり論じられています。だから、この記事を最後まで読んでください。私も宮本さんの意見に全面的に賛同し、大阪府立国際児童文学館の存続をお願いしたいと思います。
また、ミヤモメモにリンクが貼ってありますが、児童文学書評にて国際児童文学館存続のための署名活動が行われています。趣旨に賛同していただける方はどうか是非ご協力をお願いいたします。
太陽の塔(裏側)

大阪府立国際児童文学館。吹田に住んでいたころ私は何度通いつめたことか…!
なぜならここには戦前~現在まで発行された漫画雑誌がきちんと収集保管され閲覧できるからです。
「児童文学」館という名称ゆえに児童文学や絵本を主に扱っている「図書館」だと思われるかもしれませんが、この館の方針は「児童文化をまるごと保存して、研究して、発展させるための施設」なのです。よって、子供向けに発行された本はすべて収集するという意味でマンガ雑誌も研究資料として幅広く収集保管されています

私が主に閲覧したのは『リボンの騎士』、『エンゼルの丘』、『どろろ』、『ガラスの仮面』などの連載誌です。手塚治虫先生はご存知のとおり、書き換えが非常に多い作家で、単行本収録時に必ずといっていいほど書き直し、カットなどの編集を行います。そのため、連載誌とマンガ単行本では内容が異なり、その違いを見つけ追求することもファンとしての楽しみのひとつです。美内すずえ先生の『ガラスの仮面』などはそれこそ未収録が2千ページにおよぶため、それらをすべてコピーしに何日も続けて通いつめました。

国際児童文学館の書庫には明治期の絵本から最近の少女マンガ雑誌にいたるまでの書籍がきちんと年代順に整理されています。そして2階受付で申請すればすぐに閲覧できます。ここまでの規模の優れた施設は関西では他に例がありません。京都国際マンガミュージアムがマンガ連載誌のデータベース化を目指してはいますが、膨大な量ゆえ未整理の部分が多いのです。だからマンガを愛するものにとって、資料としてのマンガ雑誌を研究する者にのとってこの施設は無くてはならないものです。

昨年9月には、ここでマンガ研究者・宮本大人さん北九州市立大学准教授)と『リボンの騎士』の担当編集者であった丸山昭さんとの対談が行われました。過去記事参照。講演終了後、地下の書庫を見せていただきその量と種類の豊富さに感激したのですが、同時に説明をしてくださった職員の、児童書に関する並々ならぬ見識と館に対する深い愛情に感銘を覚えました。もし、国際児童文学館が廃止されれば、膨大な量の研究資料が散逸し、長年ここで働いてこられた職員の見識までもが切り捨てられてしまうのではないでしょうか。

宮本さんのいうとおり「逆に府の負債額の大きさを考えたら、児童文学館を統廃合してしまうことで浮かすことのできる金額で何ができるのか、そのお金を得るために失われてしまうものとは、本当に見合うバランスになっているのか」を皆さんにしっかり考えていただきたいと思います。

にしても

「橋下知事、児童文学館にはマンガもあるんです!
 ああ、もう、直談判してえ。」


に大きく頷いたのは私だけではありますまい(笑)。


【この問題に言及しているブログ記事】
葦岸堂之日々是日々 橋下知事の図書館観
草思堂から 集約って何を?
総合科学部 よろづ取扱い科 本など読まずにバラエティ番組を見て笑ってろ ということか
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