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大正4年に竣工した心斎橋の石原時計店。アールデコの傑作といわれ、大大阪時代を代表する建物です。今や長堀川は地下街に変わり、石造りの心斎橋は陸橋のみが残る交差点となってしまいましたが、戦前まではこのような美しい風景が存在しました。大大阪時代の心斎橋風景としてしばしば登場するのが、この二代目石原時計店です。ゼツェッション様式の5階建て。屋上には時計搭や噴水、庭園などがあったそうです。ビルから突き出しているのは、水圧式のエレベータータワー。どんなに豪華でモダンな建物だったことでしょう。石原時計店では、時計や宝飾品の他、当時日本では作れなかった自転車、写真機、楽器などの輸入品を販売していたそうです。

私達はこの心斎橋時代の貴重な資料の数々を見せていただきました。

▼石原時計店の絵はがき
石原時計店年賀状

▼のちに石原時計店に隣接して三階建ての別館(右の建物)が建てられ、石原実さんの祖父・石原政造さん夫妻が住んでいたそうです。
石原時計店と石原家

▼奥の写真は心斎橋の石原時計店。手前の写真とリーフレットはそのモデルとなった横浜の洋服店。
石原時計店のモデルとなった洋服店

▼石原さんを囲んで心斎橋時代の資料を見せていただく大バンメンバー
大バン取材

大正4年の石原時計店竣工記念絵はがき
▼四階大広間。4、5階部分は吹き抜けになっていた(!)そうです。ハガキ下には月星のクレセントマーク。クレセントブランドは明治から戦後まで一貫して使われた石原ブランドでした。
石原時計店新築落成記念ハガキ

▼和式貴賓室・様式貴賓室
石原時計店新築落成記念ハガキ

▼心斎橋と石原時計店
石原時計店新築落成記念ハガキ

▼一階陳列場の一部
石原時計店新築落成記念ハガキ

▼心斎橋時代の包装紙
心斎橋時代の包装紙

▼指輪採寸のための紙枠
指輪

▼ラベル
切手状のシール

石原商舗紙袋

▼大正4年(1915年)3月15日の落成移転謹告
落成移転謹告

石原時計店のショーウィンドウ
▼手前にはオルガン、ギター、バイオリンなどの洋楽器。奥には自転車が見える。
石原時計店ショーウィンドウ

石原時計店ショーウィンドウ

▼石原時計店店内
石原時計店店内



心斎橋時代の柱時計が石原時計店のオフィスに残っています。昭和17年頃、石原時計店が休業したのち、心斎橋の居宅部分のほうに置いていたため、戦災からまぬがれたそうです。
石原時計店 柱時計

石原さんによると、この時計は水銀の重力で動く時計で(水銀は鉄より重い)当時の時計商では標準時計として不可欠のものだったそうです。

短針・長針・秒針の位置がすべて別で時計盤にはLONDONの文字。
▼(クリックで拡大)
柱時計



【参照リンク】
時計絵葉書 心斎橋石原時計店の絵葉書
大阪の都市景観

【参考資料・文献】
『大阪のひきだし』P.98~104 石原ビルディング(酒井一光氏)

『大阪人』2001年3月号 P.46~48 発掘 THE OSAKA 石原ビルディング


石原時計店【その1】
石原時計店【その2】北浜画廊
石原時計店【その3】テラスより
石原時計店【その5】心斎橋情景
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