手塚眞さんのミュージアムトーク以来急速に手塚のボルテージが上がっているのりみです。夏休み中、『火の鳥』の再放送があったり、スカパーで手塚作品特集をやっていたり(昨日の朝はすんごい久々に『マリンエクスプレス』を見た♪)するからか、一気に手塚度急上昇中。そういや『どろろ』のDVDも見なきゃ~!(買ったら安心してまだ全部見れてないんです^^;)やっぱり手塚作品はいいなあ♪

てなわけで、このまま手塚な話題を続けたいなあと思います。
7月に届いた手塚ファンマガジンvol.200で告知記事がありましたが、次回(vol.202)の企画特集は「未完の手塚作品」です。
絶筆三部作をはじめ「火の鳥」「一輝まんだら」「どついたれ」…やまほど未完作品があるし、未完の作品についてはファンは言いたいことが山ほどあると思うので、テーマとしておもしろいのではないでしょうか。

というメールをファンクラブにお送りしたところすぐに採用いただきました。思いつく限り未完の作品を列挙したところ、あるわあるわ…。たいてい未完の場合、理由が編集側にあるとされていますが、しかしこの数の多さってどちらかというと手塚先生自身の執筆姿勢、性格によるものじゃないかと思うんですよね。「アイデアだけはバーゲンセールするほどあるんだ」という名言からわかるようにほどばしるアイデアを次から次へと描かずにはいられない。原画の秘密展でも明らかなように、手塚先生の作品には描き直しが多い!これって要するに自分の作品にいつまでたっても満足ができないということではないでしょうか。だから、手塚先生は永久に未完の作家だと思うのです。


■未完の手塚作品

絶筆三部作
「ルードウィヒ・B」
「グリンゴ」
「ネオ・ファウスト」

「どついたれ」
「バンパイヤ」
「一輝まんだら」
「マグマ大使」サイクロップス編
「W3」少年マガジン版
「どろろ」冒険王版
「牙人」

「未来人カオス」
⇒第一部完となっていますが、あれは完結のうちに入らない。

「三つ目がとおる」
⇒「スマッシュでさよなら」で完結はないんじゃないの~?

■一応完結しているものの、続きが気になってしょうがない作品。

「どろろ」
「七色いんこ」⇒あの後いんこはいったいどうなったのか?
「MW」⇒ニヤリと笑った後の展開は?
「奇子」

「火の鳥」⇒伝説になったアトム編と大地編は?

「鉄腕アトム」
⇒テレビとシンクロする形になったため、ラストが複数ある作品。「アトムの最期」は連載時の「アトム」とは別物ととらえるほうがいいのでは。


ファンマガジンで募集記事が出たあと、手塚FC会員のからくりさんが自身のブログ「電気仕掛けの夢見がち」で「未完作品と云えば。」と題して『おお!われら三人』について熱~く語ってくださいました。からくりさん!どうもありがとうございます♪めっちゃ嬉しかったです。202号が楽しみ(^^)
うちの夫も久々に投稿原稿書いてくれたので、以下に載せておきまーす。
 
 
未完の手塚作品『一輝まんだら』

                                         田浦誠治

手塚先生の未完作品は数多い。『火の鳥』や絶筆三部作は言うに及ばず『未来人カオス』『マグマ大使』からマイナーどころでは『快傑シラノ』に至るまで、大団円を見なかった作品は多い。尤も、現在宝塚の記念館で開催中の「原画の秘密展」なんかを見るにつけても、先生にとっては全ての作品が「未完成」なのかもしれないが。そんな中で、これは続きが読みたくてしょうがない!というものをひとつだけ探すと(それは困難を極める作業だが)、『一輝まんだら』という結論に突き当たった。

先生は、テレビのインタヴューで『アドルフに告ぐ』について「僕はゾルゲが好きで…」と答えていたが、『一輝まんだら』でも北一輝について「民族社会主義の旗印をかかげた一匹狼として数奇な運命をたどった彼の、謎に満ちた生涯を、ぼくは一度どうしても漫画でとりあげてみたかった」と、講談社全集版のあとがきに書かれている。先生はこういうある種「危険な」人間に魅かれるところがあったのかも(『罪と罰』のラスコーリニコフも実に魅力的な危険人物として描かれていた)。

もちろん単純な伝記にしないところが先生の先生たる所以で、この『一輝まんだら』も姫三娘、王太白、鉢須賀鳩子と様々な人間達が複雑に絡んで、北一輝伝という形をとりながら日本・アジアの激動の近現代史マンガ足り得ている。掲載誌の性格が変わってきて内容的に合わなくなったので中断、というのは本作品を通読すると「そんな理由でか!欧米か!」と歯がゆくさせられる。第二巻(講談社全集版)のラストのひとコマなんかチクショー、つ、続きが読みて~!と身悶えしてしまう。急性盲腸炎ではない。引っ張ってくれるじゃないですか先生!!てなもんである。

『アドルフ』もそうだし、『シュマリ』『奇子』など近現代史モノで、読み始めたらやめられない止まらない、さしずめカッパえびせん状態に引き摺りこんでくれる先生だから、第二部で描く予定だったという「日本の軍閥の跋扈と退廃、北青年の失意と上海での執筆活動、二・二六事件の青年将校の蜂起、という核心」は実現してれば、さぞかしスゲエ展開になったんじゃなかろうか?あとがきの末尾には「どこかで連載をやらせてくれないでしょうか」とある。う~ん、どこもなかったのか…。

完成しておれば、北一輝という「危険思想家」、そして軍靴の音響く「危険な時代」を正面きって描いた、「危険に満ちた作品」になったと思う。そう思うと返す返すも残念至極であり、それだけに忘れられない未完の作品なのである。





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