ブラック・ジャック創作秘話展2

ブラック・ジャック創作秘話展1
先途、久しぶりの手塚記念館。しかも行った日は手塚先生のバースデー。
企画展は、昭和の熱さプンプンの『ブラック・ジャック創作秘話』展。

ここ近年、誕生日には館内で「手塚ワールドで音楽三昧♪」と題して大阪音楽大学の学生諸君によるライブが催されている。
浦メ夫婦は相変わらず出発で出遅れ、到着するとライブの真っ最中。手塚ファンの皆さんと合流し、クラリネットと電子ピアノのデュオに耳を傾ける。

シューマン「トロイメライ」
ショパン「雨だれ」
ビゼー「(カルメン)間奏曲」

どこが手塚?と首をかしげつつも、手塚先生は大のクラシック好きだったからな、と納得させる。折しも外は、しとしと雨。ショパンの「雨だれ」なんざ、正に打ってつけだぜ。日頃はズージャだサザンだと喚いている浦メだが、たまにはクラシックも良いもんだ。

第二部は大阪音大の可愛いユニット「そらとれお」。
披露された楽曲は、

「悟空のマーチ」
「リボンのマーチ」
「異邦人」
「夢見るシャンソン人形」
「お父さんは吸血鬼」(アニメ「ドン・ドラキュラ」より)
「マルス2015年」
「鉄腕アトム」

「ドン・ドラ」が登場するなんざ、なかなかマニアックじゃねえか♪
しかし、いきなり「異邦人」と「夢見るシャンソン人形」にはビックリしたぜ♪

みんなで2階に上がって企画展を見る。
先ず、ゲート入ってすぐの壁に大写しされた『創作秘話』のひとコマ・「ボクは真面目にやってるんです!!あなたも真面目に考えてください!!」と怒る手塚先生の画に圧倒される。漫画で読んでいても相当インパクトのあるシーンであったが、こうして2メートル近い壁にバーンと大写しされると、更にインパクトは増す。デカい、という事が更なる感動を呼ぶ好例を、ここでも目にしたぜ。

で、その奥には、手塚先生を怒らせた時の『ブラック・ジャック』(以下、B・J)の回「虚像」の完成原稿(複製)が頁順に並べられ、各頁の下にはその下書き原稿のコピーが配されておった。
これは、作中にも登場する当時の週刊チャンピオン編集者・伊藤氏所蔵の下書き原稿コピーであろう。
極めて生々しい手塚先生の下書きにお目にかかれて、浦メの“手塚度”は俄然、跳ね上がった。

更に奥に進むと、色々と白壁に仕切られて室が設けられている。
室内にはテーマごとに『創作秘話』の名シーンが原画コピーで彩られている。
それはいいんだが、仕切り壁の外壁には、17時過ぎで止まっているセイコーの掛け時計やら昔懐かしい赤電話が!
なんじゃこりゃ?
いきなり昭和レトロ博物館か?

我ら関西手塚ニアンで意見が分かれた。
「B・Jやさかい、ここは病棟をイメージしてんのとちゃいまっか?」
「いやいや、これは高田馬場セブンビルの廊下を模したんでんしょう」
突き当りには、これまたマンガのひとコマ・アニメ制作で疲れ果てたアニメ部スタッフたちが「打ち上げられたマグロのようにズラズラと床に転がって寝ている」(石坂啓)コマが大写しで貼り出されていた。
という事は、企画展のこの区画は、セブンビルを模したものなんだろう。
だけど、そうならそうで、なんか入口にでもキャプション入れておくんなせえよ。想像力に任せるってぇのも、ひとつのやり方だけどよ、『創作秘話』を未読の来館者にはチト不親切じゃあありやせんかえ?

因みに仕切られた一室には、松本零士が学生時代に手塚先生を手伝った時の連載作品が展示されておった。
即ち、『旋風Z』『こけし探偵局』『複眼魔人』『ぼくの孫悟空』『火の鳥・ギリシャ編』・・・
『こけし』なんて、ホンマにほんわか可愛らしいのに、その裏では怒髪天を突く勢いの編集者が手塚先生の元に押し寄せ、編集同士で刃傷沙汰に近い喧嘩してはったんや。
そう思うと、得も言われぬ感慨がある。

更に奥ノ院に進むと、以前チャンピオン誌が企画したB・J人気エピソードランキングが再録・貼り出されていた。
栄えある第1位~第10位は、上から順番に

「めぐり会い 」
「六等星」
「死への一時間
「ときには真珠のように 」
「刻印(指)」
「おばあちゃん」
「シャチの詩」
「畸形嚢腫」
「99.9%の水」
「ふたりの黒い医者」

浦メお気に入りの回、「人生と言う名のSL」は15位、「友よいずこ」は26位、「「ちぢむ!」は28位、「医者はどこだ!」は33位であった。

「六等星」もいぶし銀のエエ回やが、これが第2位とわな!
いや、これは案外、こないに世知辛い、他者を攻撃する行為がやたらクローズアップされる今日この頃における、手塚ファン&B・Jファンの「理性」「良心」の顕現かもしれぬ。
だとすると、これが第2位である事に「?」を呈した浦メは、深く恥じ入らねばならぬ!
このような内省を喚起させるとわ!
今回の企画展に行って、本当に良かった。

そして更に奥へと進むと、あの有名な、チャンピオン76年3月10日号付録「人気キャラ大行進ポスター」が!!
おおっ!相変わらずいいねえ♪
しかも当時のもんやから、B・Jも入っていねえ。後から描き足された未来人カオスも、アタリマエやが入っていねえ。ヒョウタンツギに色が付いていねえ。
いいねえ。
今の「手塚ファンマガジン」で、コイツを素材に「間違い探し」なんてアソビをやってもらいてえもんだ。
テツノのオッサンの、銜えたタバコの本数を変えるとかよ。
ガムガムパンチがこぼれ落としているボールの数を変えとくとかよ。

出口付近には、石坂啓・高見まこ・わたべ淳・小谷憲一・三浦みつる・堀田あきおという、70年代後期~80年代にかけての元アシスタントさん・現プロ漫画家たちによるB・Jトリビュート。
子弟の絆は、時を超えるのだ。

かなりの割合いで浦メの琴線に触れる企画展であったが、出来たら『創作秘話』のもう一人の主役ともいうべき存在感を発揮している当時のチャンピオン編集長・カベさんの1/1スケールのフィギアを安置してほしかったな。
で、一定の時間になると、いきなりリンゴを投げつけたり、マッチの火を擦って水虫を焼いたりするの。
・・・こんなフィギアで喜ぶのは、日本狭しといえども浦メだけやろな(苦笑)。

感動の記念館企画展も、浦メにかかると嗚呼、結局こういう結末で締め括られるのか・・・。

(夫の日記より転載)
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